CTO に就任しました

このたび HQ はシリーズ A として 7 億円の資金調達をしました。

前回のシードラウンドが 2022 年 4 月なので約半年でシリーズ A を迎えたことになります。 世界的にスタートアップへの投資も冷え込んでいる昨今の情勢の中、こうして資金調達できたというのは会社への大きな期待の表れでもあり、あらためて気が引き締まる想いです。

さて、このたび株式会社 HQ の CTO を拝命することとなりました。 会社も事業も次のフェーズに移るこのタイミングでなぜ CTO をやるのか、なって何をしたいのかなど今の想いを書き記したいと思います。

なぜ CTO をやるのか

僕はかつて 2014 年から 2017 年にかけて Increments(現 Qiita)社で CTO をしていたことがあります。 この浮き沈みの激しい 3 年半とその後在籍したスタートアップで過ごした 2 年弱の日々を通じて1、僕が得意なこと苦手なこと、情熱を持てることそうでないこと、自分では頑張っているつもりがないけど意外と他人に感謝されることなど、色々な強み弱みを自覚することになりました。

強みの一つは、良い開発体制や質の高いコードへの強いこだわりとデリバリーへの貢献への意識を併せ持ち、それでいて相反しがちな二つの要求のどちらかを諦めるでも中途半端にするでもなく、むしろそれを両立させることにこそ情熱を感じ、その上で動くものを諦めずに作りきる"腕力"があるらしいということ。 理想に対して実力が追いついていないところもありますが、最近ではこうした特性を案外捨てたものではないと感じるようになりました。

一方で、人と向き合う仕事が得意ではないことが弱みの一つ。 以前 CTO をしていたときは会社が小さく人数が少ないこともあって僕は非常に多くの職務を引き受けていて、その中に開発チームのヒューマンマネジメントも含まれていました。 当時はこれも CTO の職責の一部だと思い込んでいて、得意でもなければ特別大きな情熱を感じるでもない仕事に奔走して疲弊してしまっと反省しています。 今となっては VPoE を立てればかったのにと思うのですが"VPoE"と言う単語が日本で使われ始めたのが 2018 年あたりらしく、このときはそうした発想には至りませんでした。

今回は旧知の佐生さんが VPoE に就任するということで、これほど心強いことはありません2。 背中を預けられる仲間がいるということは、CTO を引き受ける上で大きな要因の一つです。

また、入社して一年が経っての就任にも理由があります。 もともと入社時にいきなりなる話もあったのですが「経歴華やかさを理由に実際の働きぶりを知らない人を CXO に担ぐべきではない」という個人的な想いから固辞しました。 一年間一緒に仕事をしてきて、実際のトラックレコードを踏まえての CEO からの依頼であったということもまた、僕にとっては大切な点でした。

CTO になって何をしたいのか

大前提として絶対に外してはいけないのは、当たり前ですが「会社に貢献すること」です。 主として技術の側面から行うことになりますが、僕の影響が及ぶ全ての社内組織のアウトプットを最大化し、会社を目標達成に向けて突き動かす存在でありたい。

その上で開発チームとしては短期的な成果にこだわりつつも、中長期的に継続して高いパフォーマンスを発揮し続けることが目標です。 そのためには力を込めるべきところと抜くところを適切に切り分けていくことが大切です。 当たり前のレベルをどこまでも高めていき、世間では普通ではないようなことを平然とやる。 「当たり前のレベル」が上がっていくことも当たり前。 そんな集団を形作っていきたいです。

このあたりのことはCultureにも掲げているのでよければご覧ください。

おわりに

色々な巡り合わせもあってこうして人生二度目の CTO 着任となりました。 前回の反省を生かしつつ、周りとも協力し合いながら盛り立てていきます。 乞うご期待!

追記

CTO 就任リリースも公開されました

Footnotes

  1. この時期の話はたった 1 人のヘビーユーザと向き合った熱量を今でも ── "グロース請負人"を目指すキャリアの根源にあるものにも書いたことがあります。

  2. エンジニアとしての技術力はいうまでもなく、類まれな対人スキルでチーム横断して影響を与えるなど、もしも仮に「HQ の VPoE を全人類から自由に一人選べ」と言われても彼を選ぶだろうというくらいです。